自動翻訳との付き合い方 ~頼り切りは危険?~

こんにちは!

5月も半ばになりましたが、朝晩寒い日が続いていて、暖かい春はどこ~?という今日この頃。
皆さんのお住まいの地域はどうでしょうか?

さて、今日は、「自動翻訳との付き合い方」をテーマにお話したいと思います。

Google翻訳に代表される自動翻訳、もう皆さん使ってますよね?

日本語特有の曖昧さや前後の文章に依存する表現方法などで、日本語への訳出が難しいとされていた自動翻訳。

AI技術の発達により、より自然で流暢な日本語訳が可能となり、ストレスなくビジネスの現場で使えると感じる方も多いのではないでしょうか?

本当に合ってるの?

自動翻訳は誰でも簡単にできますが、こんな不安はありませんか?

「本当に正しく訳されているのか?」 

日本語を他の外国語へ自動翻訳する場合、
外国語が理解できないと自動翻訳された訳文が正しいかどうかを確認することは難しいですよね。

一方で、外国語を日本語に自動翻訳する場合、
日本語なら何とか前後の状況から間違っていなそうだな、大体の意味分かると感じると思いますよね。


しかし、訳抜け(訳されていない単語や文節がある)や、時制の間違いなど、原文である外国語と突き合わせて正確に訳されているか確認しようとすると、外国語が分からないと難しいですね。

自動翻訳でも間違える

AI技術を使った自動翻訳は、膨大な過去の訳出例を機械が自分で学習して、適切な訳語を当ててくれるという優れものですが、AI翻訳特有の仕組みや癖のため、誤訳されたり、訳が抜けてしまうことが発生します。

下記の例で説明していきますね。

うまく自動翻訳されていない例

自動翻訳の前半はOKですが、後半は大意は取れますが、物流用語のReceiving=受け取りが受信となっていて不自然な訳文になってしまっています。

また、Pls advise another way.のPlsは、Pleaseの略語でよく使われますが、自動翻訳では人の名前のようにとらえられていて、別の方法を提案してくださいと言う意味がまったく訳されていません。

AI翻訳の誤訳は、人間のミス

AI翻訳の誤訳は、自動翻訳の仕組みや癖に合わせて原文を書いていない人間のミスとも言えます。

つまり、AI翻訳が間違えるスキを与えないように原文を整えてあげることで、ほぼ間違わない訳語が出てくるというわけです。

翻訳業界では、これをプリエディットと呼びます。
原文を自動翻訳が訳しやすように、文を短くする、曖昧にしない、正しい文法にするなど調整することです。

上記の例でいうと、PlsをPleaseと直してあげることで、正しく自動翻訳されるようになります。

さらに自動翻訳の後に、訳文を調整することで、更に翻訳の精度があがります。
これは、ポストエディットと呼びます。

プリエディットもポストエディットも、外国語の文法や語彙に精通している必要があるうえ、翻訳スキル(言語知識、内容理解力、専門分野の知識、検索能力)が無いと、間違いに気づくことは難しいと言えます。

自動翻訳が合っているかという不安を払拭する方法は2つしかない

  • AI翻訳の癖を把握して、精度の高い自動翻訳になるように調整をする。
  • 翻訳の専門家に確認してもらう。

専門家に頼み続けるの?

外国語がよく分からないから自動翻訳を使うのに、結局、言語知識や翻訳スキルが必要なんて本末転倒だ!

自動翻訳する度に専門家に見てもらうなんて、時間も予算もないよ~。

そう思われた方に朗報です!

訳された文章をどんな目的で使うかによって対応を変えればいいのです。

公式文書、客先提出用書類

絶対に間違って理解してはならないもの、絶対に間違って訳してはならないものは、自動翻訳した後、翻訳の専門家に確認をしてもらいましょう。専門家に確認してもらった訳文は定型文として残しておき、使い回わすようにすれば、次回は翻訳会社に依頼しなくても済むようになります。

翻訳よりプリエディットが安い!!

原文を一から外国語に翻訳してもらう”翻訳サービス”するより、自分で自動翻訳したものをチェックしてもらう”プリエディット”というサービスの方が費用が安い!無料の自動翻訳ツールを使って自動翻訳をかけ、その訳文と原文を翻訳会社に渡してください。

翻訳会社、オンライン翻訳サービスを使い分ける

翻訳の専門家にも多くの種類があります。

①オンライン翻訳サービス
できるだけ安価に、迅速に確認して欲しいという方は、安価なオンライン翻訳サービスを使ってみてもいいかもしれません。(専門性・精度は二の次になります)

  ・Gengo (https://gengo.com/ja/services/)
  ・スピード翻訳 by GMO (https://www.quicktranslate.com/)
  ・Webで翻訳 (https://web-trans.jp/

②翻訳会社、海外展開支援サービス会社
精度の高い翻訳、特殊な業界など専門性が高いものは、専門分野を持った翻訳者が翻訳してくれる翻訳会社や海外展開支援業者に依頼することをお勧めします。顔が見えるサービスなので、納期や料金などフレキシブルに対応してくれるところが多いと思います。ちなみに我々エーワンは、製造業・海外展開・海外営業が専門分野です。

  ・エーワン(https://aone-global.com/
  

非公式文書、メールなど

メール・チャット、社内で内容理解する目的など、前後の文章で多少間違っていても意図が分かるものなどは、以下の方法を試してみましょう。

①訳文を自動翻訳してうまく訳せるかで確認する。

  • 自動翻訳する(例:英語➡日本語)
  • 自動翻訳された訳文を原文の言語に自動翻訳する(例:日本語➡英語)

複数の自動翻訳ツールで訳文を比較する

  • Google翻訳、DeepL、みんなの自動翻訳@Tex Traなど複数の無料ツールで自動翻訳し比べる
  • 単語やフレーズが広く使われている自然な表現か調べる
    文章の構成は似ているが違う表現(単語やフレーズ)があれば、それを””で囲って、完全一致検索をする。ヒット件数が少なければ、実際に使われる表現ではないと判断できる。 
    (例:”customer claims" vs "customer complaints"
       ➡後者の方がヒット数が多いのでこちらを使うという判断ができる。 )

まとめ

今日は、自動翻訳の付き合い方についてお話してきました。

いくら優秀なAI翻訳でも、間違えることがあるという前提に立って、うまく付き合うことが大切なことが分かりましたね。

自動翻訳の仕組みを理解して、コツを押さえて使うと、翻訳の作業効率は劇的に変わります。

自動翻訳を使いこなすことができれば、外国語(特に英語)で仕事をするハードルや労力を最小限にして、本当に必要な仕事に貴重な時間を費やすことができるようになりますよ。

このテーマについて、もっと聞いてみたいことがあるという方は、お問い合わせフォームからご連絡いただければ、次回のブログで取り上げていきたいと思います!