オンラインセミナーに挑戦しました
8月~10月は、セミナー2件と本業の海外業務支援のお仕事が立て込んでブログの更新ができませんでした。
今日は、初めて挑戦した2つのオンラインセミナーについて少しお話しようと思います。
自動翻訳の使いこなし術を知りたい人がたくさんいる
これまでは、持っている人脈のみで集客をしていたこともあり、参加者は3~5名でした。
自分が有益だと思って企画したセミナーが、本当に求められている内容なのか、それさえ分からない状態でした。
8月に登壇したオンラインセミナーは、大阪が本社の生産管理システムの開発・販売をする会社さんの顧客向けのお役立ちセミナーとしてお声がけいただきました。
集客は先方にお任せして、当日は6名の方がご参加くださいました。
10月に登壇したセミナーは、海外ビジネスにおける課題について支援を必要とする企業と、支援できる企業をマッチングするプラットフォームのウェブサイト上で、セミナーの告知をしてみたところ、11名の方にご参加いただきました。
どちらのセミナーも、日頃、自動翻訳に不安を感じている海外担当者の方々が多くいらっしゃいました。
皆さんの課題は、日本語を英語に自動翻訳する場面にありました。
「どうやって本当に合っているか確認ができるのか?」
「より自然に間違いなく自動翻訳させるコツはあるのか?」
これだけ自動翻訳が進化して身近になったからこそ、多くの人が自動翻訳を言葉の壁を
機械翻訳は必ず間違える
現在主流となっているAI翻訳は、一字一句を翻訳するこれまでの技術とは異なり、文章や段落を1つの塊として捉えて、類似した表現を翻訳メモリと呼ばれる対訳データベースから参照し、文章としての流暢さを重要視した翻訳ができあがる仕組みになっています。
つまり、翻訳メモリで見当たらない表現や記号、特殊な言い回しは、どう訳せばいいか機械が迷ってしまうのです。
そうすると、このようなことが起こってしまうんです。
- 訳抜け(分からない部分は訳さない)
- 機械翻訳が分かる範囲で訳す(多義語や同意語の場合、違う意味の訳が当てられる)
機械翻訳+人間によるひと手間=業務で使える
機械翻訳は、一見文章が流暢で、間違っていることに気が付かないという大きな落とし穴があります。
流暢さの中に、前述した訳抜けなどの大きな間違いに気が付いてしまった人は、やっぱり機械翻訳は使えないなと感じてしまうでしょう。
しかし、そう結論付けるには、あまりにももったいない。
最初は少し面倒に感じるかも知れませんが、自動翻訳にかける前と後のひと手間をかけるだけで、優秀な翻訳者を1人手に入れたように、翻訳業務が効率化されるんです。
文書内で用語統一する方法
自動翻訳にかける前と後のひと手間を、業界用語で、「プリエディット」と「ポストエディット」と呼びます。
セミナーでは、前後の編集の手法をいくつかご紹介し、参加者の皆さんにも実際に体験してもらいましたが、その中でも一番反響があったのが、下記の2つです。
①文書に登場する固有名詞を指定した日本語名に統一したい時に使える技(プリエディット)
統一したい用語をあらかじめ原文内で一括変換しておきます。
原文(英語)の英語の会社名を一括検索 ➡ 日本語の会社名にすべて置換 ➡ 自動翻訳にかける
*原文に違う言語が混ざっていても原文として指定した言語しか翻訳されないので、置換した日本語はそのままで表示されます!
②機械翻訳に訳語を指定して自動翻訳させる方法
ほとんどの自動翻訳ツールでは、会社名、組織名、商品名、仕様の表現、不具合の呼び名など、決まった用語で翻訳をするように指定することができます。(用語集の登録という。)
あらかじめ、エクセルファイルなどで、日本語とその対訳を表にした用語集を作成しておき、csvファイルなどに変換して自動翻訳ツールに登録します。翻訳画面で参照する用語集として指定すると、それらの訳語を翻訳に反映してくれるようになります。
最後に
昨今のAI自動翻訳は、使えば使うほど精度が向上しているなと感心してしまうのですが、同時に、えっ、こんな間違いしちゃうの~?という翻訳に出会うこともあります。
AI翻訳の仕組みをよく知ることで、AI翻訳の弱点を踏まえた対策を打つことができます。
ポストコロナを見据え、自動翻訳ツールの導入を検討されている企業様も多いと思います。メリット・デメリットとともに、最大限活用するための使いこなし術もお伝えするセミナーを引き続き計画していきたいと思っています。
社内でたくさんの人が自動翻訳を使っているという企業様には、出張でセミナーを行うこともできますので、お気軽にお問い合わせ下さい!